3月14日(月) 曇り

 昨日、韓国人のチョルさんのことを書いたので、今日は先日の韓国旅行で体験した汗蒸幕(かんじゅんまく)の事について書こうと思う。
 汗蒸幕とは約600年の歴史を誇る韓国の伝統式サウナのこと。松の木をき、石と黄土でできた窯を熱し、その石から発散される遠赤外線によって新陳代謝を促し、肌の老化や乾燥を防ぐ。汗とともに体内の毒素や老廃物も排出され、炊いた松の木の香りによりリラックス効果も得られるという、女性にも男性にもうれしい高温サウナだ。
 日本ではなかなか体験できないと思い、旅行2日目の夜に梨泰院にある高麗火汗蒸幕というお店に行った。ここは午前2時までの営業だが、汗蒸幕のお店は24時間営業している所がほとんどだ。
 よもぎ蒸しやうぶ毛とりなどのオプションもいろいろあったが、私はとりあえず基本コースを頼んだ。紙ぱんつとパジャマに着替え、化粧を落とし、早速あたたかい汗蒸幕のなかへはいった。そこまで熱くはなく、そこで約10分間横になった。
 次に高温の汗蒸幕の中へ移動したのだが、これがかなり熱い。座った瞬間、汗がにじみでてきた。一緒に入った友達はこの温度に耐えられず、入ってすぐに出ていった。実際は5分少々の時間だったのだが私にはその何倍もの時間に感じられた。
 外にでて、冷たいタオルで汗を拭くと、麻の袋を渡された。それを頭からかぶり、また高温サウナの中に入った。「何分入っててもいいですよ。」と店員さんは言ったが、5分でも辛かったのに何分も入れる訳がないっ!!!
周りを見るとみんなも私と同じことを思ったのか苦笑いをしていた。
汗だくになった身体をシャワーできれいにして、今度は泥パックを全身に塗ってもらった。乾くまで待つこと10分。
 全身真っ黒のまま第1の湯船につかる。ここで泥をしっかり落としシャワーを浴びた後、第2の湯、第3の湯につかった。第2の湯はよもぎのいい香りがほんのりただよっていた。
 湯船でしっかり身体を温めたら、いよいよおまちかねのあかすり。韓国に行ったら是非やってもらいたかったんだよね。ベッドに横になり全身をくまなくこすってもらう。気持ちいい-----。体の向きを変えた時に自分の体から出ている大量のアカに驚いた。私って汚い・・・・・・。
 目を丸くしてアカを見つめている私に「あかすりは初めてですか?」と店員さんが話しかけてきた。
 私の母親くらいの年かな。とても優しい目をしている女性。
「はい、とっても気持ちいいです。」
「韓国は好き?」
「初めて来たけど、キムチにカルビに冷麺、ビビンバ・・・食べ物はなんでもおいしいし、あかすりは気持ちいいし、韓国大好きですっ。」
 そう答えると彼女はニッコリ笑って「私も日本が大好きよ。」と言った。
あかすりをしてもらいながら、お互いの家族のことや韓国料理のことを話した。彼女には日本の名前があるらしく
「きょうこ」ということを教えてくれた。
その後、キュウリパックとシャンプーをしてもらい、シャワーを浴びて、身体を拭いてもらって約2時間の基本コースは終了した。私の身体を拭きおわるときょうこさん
は「あなたに出会えて私はとても幸せよ。」と優しい笑顔で何度も言ってくれた。
 私は思わず彼女に抱きついてしまった。
 人と人の出逢いって本当に素敵。言葉は国によって違うけど、出逢いって国や人種に関係なく世界共通なんだね。いつも思うけど、短い人生の中で出会える人の数は限られているから一人一人との出逢いを大切にしたい。
「また、韓国にきてね。」
と、きょうこさんは更衣室まで私を見送ってくれた。

きょうこさん、素敵な出逢いをありがとう。

【今日覚えたイタリア語】
・sorriso  (笑顔)
・incontro (出逢い)
・vita (人生)